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世捨て人街道 [日々の暮らし]

放送通訳をしていると、頻繁に出てくる用語は
ポンポンと訳せます。たとえば:

弾劾、民主党、共和党、ブレグジット、
保守党、労働党、民主党全国委員会、
予備選挙、大統領候補、有権者、司法省、
FBIアメリカ連邦捜査局

といった感じです。

ところが、その分、普段使わない言葉は
からきし出てこなくなります。

「ほら、あの、冷蔵庫の中にある、アレ。辛い緑の!」

→「わさび」と言います。

「ほら、あの、アイロンがけで使うもの。
何だっけ?透明のボトルで水が入っていて、
えっと、『噴霧器』だっけ?」

→「霧吹き」の方が通じます。

ところで通訳現場では訳語に詰まった場合、「一次元上の
視点から訳す」と何とか切り抜けられます。

たとえば「トランプ大統領」の名前を度忘れした場合
(もっとも私の場合、氏に関しては忘れたくても
忘れられませんが):

→「アメリカの国家元首」でOKです。

スポーツ中継で予備知識がなく、「どっちのチームが
勝ったかわからな~~い!」とパニックになったとき:

→「両チームとも健闘しました」(嘘ではありません)

このような具合です。

ちなみに先日、自宅で「万年筆」という語が出なくなり、
なぜか家族に向かって「執筆道具(しっぴつどうぐ)」と造ってしまいました。
「筆記用具」ならまだ良いものを・・・。

ああ、こうして世捨て人街道を驀進していくのでしょう。
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